水揚げ量は昨年の10分の1…サンマはいまや「高級魚」
これからシーズンを迎えるサンマが手の届かない存在になっている。日本一の水揚げ量を誇り「サンマの基地」といわれる根室では、不漁で漁師が頭を抱えているという。
「道東沿岸のサンマ流し網漁の水揚げ量は7月末で約8トン。記録的不漁だった昨年同時期の10分の1ほどです。1匹500円前後でもおかしくありません」(地元漁業関係者)
サンマの減少は深刻らしい。東北区水産研究所資源海洋部の巣山哲主任研究員によると、2010年を境に、減少し続けているという。
「太平洋の沿岸が特異的に減っています。温度かエサか、ハッキリとした原因は不明ですが、沿岸でサンマが育ちにくい環境になっている。沖合なら、まだ資源は残っていますが、業界の決まりで、沖合に出られる大型船が出航するのは8月下旬から。9月以降は、今よりは価格は下がると思いますが……」(巣山哲主任研究員)
しかし、沖合に行くにはコストがかかる。ここが問題になってくる。北大名誉教授の尼岡邦夫氏(魚類学)はこう言う。