業界最大手に聞いた 街中にある「証明写真機」の設置基準
履歴書やパスポートに使う写真をひとりで撮影する証明写真機。写真館と違って細かい修整はできないものの、料金は数百円と安く、あっという間にプリントされるのだから、使い勝手はいい。最近は、設置場所をネットで検索できるサービスもある。昔のように記憶をたぐったり、足を使ったりして、あの箱を探す必要もなくなった。それでも気になるのは、置かれている場所の基準。駅やスーパーなどでよく見かける気がするが、コインパーキングの近くや道端にポツンとあったりもする。採算は合うのだろうか。
日本におけるパイオニアで業界最大手「日本オート・フォート」の担当者が言う。
「飲料の自動販売機と同じで、こちらから『置かせてほしい』と営業をかける場合もあれば、『ウチに置きたい』という申し出を受ける場合もあります。ただ、店に置く場合は入店客数、駅なら乗降人数、道端なら1時間に何人通るかをリサーチしています」
設置後は、1カ月に100枚の売り上げがボーダーライン。通常は1枚800円なので、合計8万円になる計算だ。これを超えて初めて、設置場所のオーナーに歩合制で報酬が支払われるそうだ。
これは各社とも同じのようで、富士フイルムイメージングシステムズの担当者も「1枚800円で100人の利用が目安」と言う。1日にすれば3~4人。機械は全国に2万台あるといわれているから、日本では1日に6万人以上が証明写真を撮影していることになる。