なぜ「秋の夜長」なのか

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 立秋を過ぎ秋分も終わりを告げると、まさに「秋の日はつるべ落とし」。「秋の夜長」を肌で感じる時季になった。

 ところで、この「秋の夜長」という表現、考えてみると変だ。言うまでもなく夜の時間は秋より冬の方が長いし、冬至(今年は12月22日)が一年のうちで最も昼の時間が短いことは誰でも知っている。正しくは「冬の夜長」……だが、そうは言わない。なぜか。

 作家で評論家の唐沢俊一氏に聞いた。

「『秋の夜長』は万葉集の頃に定着した言葉です。当時の男女関係は、男性が夜になると女性の家に忍んでいく“通い婚”でした。夏の間は暑いのと夜が短いので、女性のもとに通うのも大変でしたが、夏至が過ぎると夜が長くなり、気候も涼しくなって、男たちが頻繁に訪れるようになる。通う方も通われる方も、夜の長さを身に染みてうれしく思っていたので、この秋の夜長という言葉が定着したのでしょう。ちなみに、冬のことは『日短』と言います。こちらは明かりのあまりなかった時代、仕事のできる日中が短いことで、そう言われるようになったと思います」

 快適な気候を実感できる秋の夜。読書や音楽鑑賞、左党なら一献やるのも一興だが、殺し文句ならコレに決まりだ。

「秋の夜長は万葉集の世界に浸ってみない?」

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