元気な“ふり”する社員 企業のストレスチェックの落とし穴
“電通問題”の余波を受け、厚労省は悪質な違法残業を続ける企業の社名公表で対象を広げる方針を打ち出した。これまで月100時間超にしていた公表基準を、月80時間超に引き下げる。複数の事業所で違反が見つかったら、幹部への直接指導や抜き打ち調査も行うという。
“見せしめ”による違法残業を減らす狙いのようだが、その下で働く社員のメンタルヘルス対策は心もとない。それが、従業員50人以上の企業に義務づけられているストレスチェックだ。
対象企業は、全従業員が1年に1回、ストレスの原因や心身の自覚症状、友人や家族などのサポートの状況を4択で答え、高ストレスがかかっている人やサポート体制が不十分で相談相手に乏しい人などを探るものなのだが……。
ストレスケア日比谷クリニック院長の酒井和夫氏が言う。