全国各地に名所あり なぜ街路樹はイチョウが多いのか?
秋も深まり、イチョウの木も鮮やかに色づき始めた。イチョウといえば街路樹のイメージだ。実際、「東京都の木」にも選ばれるなど、都民は特に印象深いだろう。全国的にも北海道大学や大阪の御堂筋、鹿児島の垂水など、各地にイチョウ並木の名所がある。それにしても、街路樹はなぜイチョウなのか。東京都の担当者に聞いた。
「確かにイチョウは1966年にハガキによる一般投票で、都の木に選ばれています。2位はケヤキ、3位はソメイヨシノでした。しかし、街路樹で今一番多いのはイチョウではなく、ハナミズキなんです」
えっ、そうなの。現在、都の街路樹は101万本余り(中木・高木のみ。サツキなどの低木は含まず)で、ハナミズキが最多の6.1%を占めるという。紅葉が目に鮮やかで花を咲かせる一方、成長しすぎずガードレールを傷めないなどのメリットがあるという。ハナミズキが街路樹本数1位に躍り出たのは2015年。それまで1位に君臨していたのが、イチョウだ。占有率にして0.1ポイント差で1位を譲ったとはいえ、今も2位をキープしている。
「1907年には街路樹としてイチョウが植えられたという記録が残っています。木の形が美しく、成長も早かったのが理由ではないかと思います」