嘱託や顧問契約ではなく“派遣”という働き方を選んだ理由
定年後の人材を「熟戦力」という。その働き方には、大きく分けて4つの選択肢がある。《会社に嘱託として残る=有期雇用》《知見を生かして独立する=請負》《シルバー人材センターなどに登録=アルバイト》《別の企業に再就職する=正社員・契約》の4つだ。その中で最後の「再就職」の道を選んだのが、今回登場する元大手電機メーカーの秋本富士夫さん(64)だ。
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秋本さんが一風変わっているのは、あえて“派遣社員”となったことだ。
「60歳でいったん定年退職し、インド現地法人の日本支店へ移籍し2年間働きました。62歳で2度目の定年を迎えることになったのですが、真っ先に外したのが『会社に嘱託として残る』という選択でした。うれしいことに、そういったお誘いも受けたのですが、同じビル内にいれば部門が違っても元部下と顔を合わすこともあるだろうし、気を使わせることにもなりますから」