著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

日比谷高校の東大合格者数“復活”に尽力した3人の立役者

公開日: 更新日:

「でも、一気に名門校の座から転落するようなことはなく、生徒の側もみんな、日比谷高生だという気概を持っていた。僕は劣等生だったけど、優秀なヤツはまだ多かったんです」

 学校群制度下で最初の卒業生が出た70年の東大合格者は99人で5位。このOBが卒業した72年はベスト10からは外れたものの、なんとか50人台は保っていた。しかし、その翌年は30人を切り、以降浮上することはなかった。82年には学校群制度が廃止されたが、日比谷高の低迷は続き、90年代に入ると一桁で推移。93年には東大合格者わずか1人という、かつての絶対王者の面影がどこにもない状況まで追い込まれた。

■「学校群制度」導入によって転落

「東大合格者数だけでその学校のレベルが計れるものではありませんが、傍目からはもっともわかりやすい進学校のバロメーター。その数が落ちてくれば、実力のある受験生は敬遠するようになり、ますます低迷するという悪循環におちいるのです」(大手学習塾・高校受験担当)

 進学校としては完全に忘れ去られた存在だった日比谷高だが、21世紀に入ると異変が起こる。05年、東大合格者が前年の3人から14人に躍進したのだ。その後、二桁を割ることはなく、10年37人、16年には53人(11位)を記録。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった