著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

日比谷高校の東大合格者数“復活”に尽力した3人の立役者

公開日: 更新日:

「学校内外の反発も大きかったのですが、長澤校長は有無を言わせない形で、自身の方針を押し通した。それはまさにファシズムだった。"都教育庁の回し者"とか"石原都知事の手先"と憎悪を込めて呼ぶ者も少なくなかったのです」と日比谷高関係者は述懐する。

■2学期制と1コマ45分7時限の導入によって授業が効率化

 だが、そうした声をかき消したのは、東大合格者数の増加だった。前述したように、進学校のもっともわかりやすいバロメーターであり、マスコミも好意的に取り上げた。

「予備校講師のように大学入試に直結する教え方のできる教員の採用。さらには2学期制や1コマ45分7時限の導入によって授業の効率化を図り、補習や講習にも力を入れるようにした。この受験偏重型の長澤改革を踏襲したのが次の次の校長に就任した武内さんです。長澤さんに比べ、幾分ソフトな人柄ながら、結局は自分の思い通りにするという点では変わらなかった」(日比谷高関係者)

 東大入学者数の推移を見れば、長澤・武内改革が功を奏したのは明らかだが、OB・OGの間では危惧する声も上がっている。日比谷高の同窓会組織「如蘭会」に所属する会員のひとりはこう話す。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった