長崎県対馬市 金田城からの絶景と朝鮮通信使の史跡を歩く
対馬は、韓国まで49・5キロに位置する国境の島。博多から高速船で2時間、福岡空港からは飛行機で30分の距離だ。2017年には、江戸時代の外交資料「朝鮮通信使に関する記録」がユネスコの世界記憶遺産に認定されている。
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日本本土と大陸の中間に位置することから、長崎県の島々は古代から交易・交流の拠点となってきた。とりわけ、朝鮮とのかかわりが深く、中世以降は対朝鮮の貿易・外交の実務を担当。そのため、豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)と徳川家康による国交回復交渉の史跡がある。
「戦乱の終結後に台頭した徳川家康は、対馬島主の宗義智に朝鮮との国交回復を命じました。もっとも朝鮮が突き付けてきた条件は受け入れられるものではなかったため、対馬は国書を偽造し、和平交渉を成功させます。その後、朝鮮通信使が往来する時代に突入したのです」(対馬観光ガイドの会やんこものガイド・佐々木達也さん)