(3)隔離療養生活が明け、後遺症治療で処方された薬は「風邪薬」だった
筆者は昨年の隔離療養生活明けから2つのクリニックを受診した。
1つ目は呼吸器内科クリニックで、2つ目はコロナ後遺症専門外来だ。1つ目で処方された薬(あとで風邪薬だと判明)はほとんど効かず、2つ目では亜鉛服用と漢方服用、そしてBスポットという耳鼻科での治療を勧められた。Bスポット治療は、上咽頭(鼻の奥)に塩化亜鉛などを直接塗布するもので、とてつもなく痛いらしい。しかも10回ほど施術が必要で、耳鼻科医の手技によって治療のクオリティーが左右される。さらに耳鼻科医があまりやりたがらない治療法と聞いて尻込みし、結局、治療を受けなかった。
鼻うがいと亜鉛服用を継続したことで、味覚・嗅覚障害がある程度回復したのではと思うが、時間の経過と共に自然治癒したかもしれず、実際はどうか分からない。医師たちも、患者の診察を継続しながらデータを蓄積し、それを後遺症の治療法にアップデートしていくしかないだろう。現在はオミクロン株の亜種やその後遺症も報告されており、油断できない。
■永田理希医師はパンデミックを予見していた