何匹ものワンちゃんの命を救う「輸血供給犬」の大きな功績

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 そのとき、候補となるワンちゃんは10匹いて、すべての血液型を検査しました。それがDEA1.1です。

 これが陰性なら輸血可能で、1歳のビーグル犬はそれに合致していたのです。

 ビー太郎の血液を採取して輸血することで、リンパ腫のワンちゃんは治療が可能に。命が救われました。その後も、ビー太郎の血液によって、何匹ものワンちゃんの命が助かっています。つまり、ビー太郎は、輸血供給のため、当院で愛情を持って飼っているのです。ビー太郎には、感謝しかありません。現在6歳。まだまだ元気ですが、輸血できるのはあと3年くらいです。

 輸血を伴う治療が必要なワンちゃんがいる場合、どこからその血液を用意するかが問題です。血液型が合致して中型犬以上のワンちゃんなら、100~200㏄の採血が可能ですが、小型犬などでは動物愛護のため50㏄までで、1カ月以上の間隔をあけることが必要です。

 これにより、輸血できないことが少なくないのです。もちろん、ビー太郎の場合も、1カ月以上のインターバルを守って輸血しています。

 動物病院によっては、ビー太郎のような中型犬以上の輸血供給犬を居候で飼っていることがあります。こうした供給犬のおかげで、輸血を伴う治療が成り立っていることも、ぜひ知っておいてほしいと思います。

(カーター動物病院・片岡重明院長)

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