「にこみ 鈴や」京都の姉小路通り、レトロな玄関灯に照らされた民家で近江牛のモツや伝助穴子を堪能

公開日: 更新日:

第71回 京都(京都市中京区)③

 アタシが関係しているコーラスグループ「フォレスタ」の新春コンサートがロームシアター京都で行われ、1300人を超すお客さまで大いに盛り上がった。この場を借りて御礼申し上げます。

 さて、京都での定宿が烏丸御池駅に近いホテル。ここは何よりロケーションがいい。徒歩1時間圏内はアタシの好きな散歩コース。御池通りを平安神宮方面に行くと鴨川に突き当たる。川沿いを散策して三条通りから新京極商店街に入り、繁華街をぶらつきながら錦市場を冷やかすのも面白い。本能寺のある寺町から烏丸通りまで裏道を散策するなど知らない路地を探検する楽しさは複数人では味わえない。やはり散歩は一人がいい。散歩の途中に見つけた店で一杯やる楽しさは何物にも代え難い。

 烏丸御池交差点周辺はいくつもの通りが碁盤の目のように走っている。夜になるとその通りにぽつんぽつんと店の明かりがともる。だから無駄に明るくない。この薄暗さがいい。姉小路通りを行くと、ぼんやりと玄関灯がともる民家が見えてくる。そこが今回の目的店「にこみ 鈴や」だ。

 レトロな玄関灯に照らされた木の引き戸を開けると、ゆったりとしたカウンターと広い厨房が目に飛び込む。そのカウンターのほぼ中央に陣取る。初めての店なのにずうずうしいことこの上ない。というのもカウンター中央正面に炭焼き台がドンと置かれ、長い金串に刺された鶏モモと牛ハラミであろう肉塊がジュウジュウと音を立てて焼かれていたからである。引き寄せられるようにそこに座ってしまった。肉を焼いていたのは店長の栗山和也さん。席に着く前に「うわっ! うまそ!」と思わず声が出てしまった。育ちざかりの高校生じゃあるまいし。

「召し上がりますか?」

「いや、その前にまずは近江牛のもつ煮込み(700円)と生ビールの小(400円)」

 薄いグラスに注がれたビールは真冬の夜でもしびれるほどうまかった。出てきた煮込みがまた絶品。いろんな部位の入った煮込みには九条ネギが添えられ、コクのある近江牛のもつと一緒に食べると別次元のうまさ。

 器がまたいい。

「この店のオーナーが元々骨董を商っていた関係で、驚くような器ばかり使っているんですよ」

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