神保町「げんぱち」で高尾山の遠足で食べた海苔弁が脳裏に蘇った

公開日: 更新日:

今日の主役は海苔弁

 よし! アタシのだ。30年ぶりの海苔弁。まずは蓋を開ける。千代紙ほどの大きさの海苔が4枚、上と中に重ねてある。アタシは周囲の視線を気にしつつ1枚ずつはがして追い醤油を垂らし、すかさず蓋を戻す。還暦過ぎの男のすることではないのは重々承知してますよ、アタシだって。ご飯が程よく蒸れるまでカキフライとビールを楽しむ。小ぶりだが濃い味の広島産だ。ソースをかけてタルタルとともに口中へ。ビールにドンピシャ。サイコ~。

 さて、海苔弁はいかに? ワクワクしながら蓋をオープン。海苔と醤油の香りが鼻に抜け、しばし昂然とする還暦男。おもむろに弁当箱をグワシと掴み、人目をはばからずかき込む。世の中にこれ以上、うまいものがあろうか。海苔弁バンザイ! アタシは30年前の勤め人時代を飛び越えて、小学生までタイムスリップ。高尾山の遠足で食べた海苔弁が脳裏に蘇る。

 夢中で半分ほど平らげ、ふと、カキフライの存在を思い出す。大御所のカキフライを忘れるほどの海苔弁の存在感。主役を食っちゃうバイプレーヤーか。いや、違う。今日の主役は海苔弁。カキフライはあくまで引き立て役だ。

 そうだ、今度は夜来るとしよう。洋食屋が作る重量級のツマミで一杯やって、締めに海苔弁てサイコ~でしょ。30年前でなく、今になって気付くのだから、トシを取るのも悪いことばかりじゃないよね。

(藤井優)

○洋食げんぱち 千代田区神田神保町2-21-6

【連載】今、こんな「昭和の街」が大ブーム

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「超ド級国民的アイドル」の熱愛はSnow Manの宮舘涼太!「めめじゃなかった…」ファンの悲喜こもごも

  2. 2

    中道・小川淳也代表“オガジュン構文”の破壊力は期待以上? 代表質問で「暮らしを『支えて』」×5回炸裂

  3. 3

    熊谷真実、熊田曜子…当たり前の常識を知らない芸能人の言動が炎上を誘発

  4. 4

    高市独裁政権に立ちはだかる「新・参院のドン」石井準一幹事長の壁

  5. 5

    【ザ・ベストテン】に沢田研二が出られなかった日は桑田佳祐が出てきた日

  1. 6

    高市首相の大誤算!「私の悲願」と豪語の消費税減税に世論「反対」多数の謎解き

  2. 7

    侍Jリリーフ陣崩壊で揺らぐ屋台骨…現場で高まる「平良海馬を再招集すべき」の声

  3. 8

    国民民主の“お嬢さま候補”が運動員買収容疑で逮捕 自爆招いた強すぎる上昇志向と国政進出への執着心

  4. 9

    中井亜美フィーバーに芸能界オファー殺到…CM億超えも見据える「金のタマゴ」のタレント価値は

  5. 10

    宇多田ヒカルが「蕎麦屋」投稿批判に反論も再炎上 旧ジャニファンの“恨み”とユーザーが見過ごせなかった一言