池波正太郎も好んだ横浜中華街「徳記」豚足麺のうまさに失神せんばかり
昨年末から横浜通いが続いている。アタシが足しげく通っているのは関内にある放送ライブラリー。ここで脚本家の山田太一上映展示会を見るためだ。
アタシらの世代で山田太一さんのドラマに影響を受けなかった人は少ないだろう。来ているのも同世代が圧倒的に多い。
先日、18歳の娘と一緒に見に行った。上映していたのは「終りに見た街」。彼女いわく「パパの時代にこんな凄いドラマをテレビでやっていたんだね」。こんな時代だからこそ見てもらいたい山田作品。連れて行ってよかった。ちょっと誇らしい還暦男であります。
さて、感動しても腹は減る。ということで向かった先は中華街の路地奥にひっそりとたたずむ「徳記」。昭和20年、製麺所として創業し多くの文化人が通った名店。とくに池波正太郎さんが好んで食べたという名物料理が豚足麺(とんそくそば)だ。これを娘に食わせよう。彼女も食の好みは父親に似ているから、喜ぶこと間違いなし。
観光客でごった返す関帝廟通り。その人混みから隠れるように路地にもぐりこみ、空いている奥のテーブルに陣取る。何はなくとも豚足麺(1150円)と紹興酒のお燗(560円)。ついでに肉まん(150円)。冷えた体に紹興酒が染みわたる。小ぶりの肉まんは五香紛の効いた餡が紹興酒と相性バツグン。コンビニの肉まんとはちょいと違う。
そこに豚足麺がやって来た。娘は初めて見る徳記の豚足の姿に驚きながらも「うまっそ!」。血は争えないね。アタシはこの店の自家製平打ち麺に目がない。いつも熱いうちに半分ほど食べてしまう。それから紹興酒を今度は冷やで頼み、豚足を食べながら一杯やる。「まだ飲むの?」と、とがめる娘の目を気にしつつキューッとやる。サイコ~。この豚足は箸でちぎれるほど軟らかく、口の中で噛まずにぐにゅぐにゅやっているだけでとろけてしまう。世界一うまいプルプルゼラチンだ。きっと長時間かけて煮たり蒸したり寝かしたりと、とんでもなく手間がかかっているのだろう。あだやおろそかに食えない逸品である。
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