高校無償化は怠け者とバカを増殖させる 弊害は「公立の定員割れ」だけではなかった
最も深刻なのは、無償化で「怠け者とバカ」を増殖させることだ。都内で長年塾講師を務めてきた東田高志は、同誌でこう言い切る。
「現場の感覚では私立に人が集まるのは“勉強をしなくていいから”です」
都立高の受験生は2月中旬まで勉強しなければいけないが、私立単願の生徒は11月の定期テストで内申点が確定すると、事実上、合格(確約)が出る。早く勉強をやめたい生徒が私立を選ぶというのである。公立は5教科だが私立は3教科。多くは苦手とする理科や社会を放り投げてしまうそうだが、ⅠT知識や論理的思考が求められる現代社会では、深刻なリスクになってしまうのではないか。
さらに、無償化は「格差是正」を大義名分としているが、実態は逆だという。高校が無償になることで、浮いた教育費を「小学校高学年からの塾や家庭教師代」に前倒しで投入する家庭が激増している。これにより中学受験がかつてないほど激化し、「経済力による教育格差」がより鮮明になるという皮肉な事態を招いているというのだ。
政府の補助金に依存する私立は「準公立」になり、「可愛い制服」や「芸能人の子弟の多さ」を“売り”に膨張し、公立高と地域を崩壊させていく。
人気取りのバラマキ政策が、この国の教育現場を歪め、「人材の墓場」をつくり出していく。読み応えのある特集である。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)


















