新緑の季節到来でGWは登山したいけど…心得たい中高年の遭難事故が相次ぐ3つの背景

公開日: 更新日:

 第二に、「装備の過信」がある。最近は高機能な登山靴やウェア、GPS機器などが普及し、環境は格段に整っている。だが、それが逆に「多少無理しても大丈夫」という心理を生みやすい。本来、装備はリスクをゼロにするものではなく、“下げる”ものに過ぎない。それでも、人は便利さに慣れるほど、自分の限界を見誤る。

 第三に、「単独行の増加」だ。定年後の趣味として登山を再開する人が増える一方で、仲間と日程を合わせるのが難しくなり、単独で山に入るケースも目立つ。単独行そのものが悪いわけではないが、トラブル時に助けを呼べない、判断を修正できないというリスクは格段に高まる。実際、遭難の発見が遅れるケースの多くは単独行だ。

 さらに見逃せないのが、「心理的な油断」である。中高年にとって登山は、“健康の証明”でもある。「まだ動ける」「まだ若い」という自己認識が、無意識のうちに無理を引き寄せる。だからこそ危ないのは、「限界を超えた瞬間」ではなく、「まだいける」と感じている最中なのだ。

 長野県山岳遭難防止対策協会が発行した「高年登山者の傾向と対策」(2015年)で、こう分析している。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    愛子さまが8月に伊勢神宮「式年遷宮」視察へ 将来は「祭主」を継ぐ可能性も

  2. 2

    北陸新幹線の延伸ルート「桂川案」に決定でも難航必至…問題解決の奇策「フリーゲージトレイン」の可能性を考えてみた

  3. 3

    「ブルーカラー・ビリオネア」には到底なれない…60代の元ブルーカラーは今無職

  4. 4

    暫定措置は7月で終了へ…「資格確認書」「マイナ保険証」迫るタイムリミットの対処法

  5. 5

    東大出身の小林政調会長は日本史を学ぶべき「2600年以上続く男系継承」は歴史なのか神話なのか…皇室典範改正で浮かんだ疑問

  1. 6

    巨人前監督のことは笑えない 妻や娘に容赦なく「キャンセル」される孤独オジサンの老後

  2. 7

    「元祖」2店もタモリもマツコもバラバラ…シーズン到来の冷やし中華は具材もタレも我流がうまい

  3. 8

    飛行機に乗ることが目的でいいのか? 『沸騰ワード』人気企画「マイル修行旅」に向けられる厳しい視線

  4. 9

    今も続く「皇室典範」は出来の悪い法律…男の側に不妊の原因を求める発想がなかった時代の産物だ

  5. 10

    JR四国「伊予灘ものがたり」(愛媛県松山~八幡浜)海に一番近い駅、海の上の鉄橋…絶景ポイントの連続!

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 2

    愛子さまが8月に伊勢神宮「式年遷宮」視察へ 将来は「祭主」を継ぐ可能性も

  3. 3

    検察組織は落ちるところまで落ちた 東大法卒の「特捜部エース」が“ヒモ”とは…世の中真っ暗闇

  4. 4

    三山凌輝「裏切り愛」でも愛娘・趣里に離婚を勧められない水谷豊&伊藤蘭の悲痛

  5. 5

    眞鍋かをり「愛子天皇待望論」は“陰謀論”発言が波紋…高学歴タレントコメンテーター生き残りの厳しい現状

  1. 6

    「ブルーカラー・ビリオネア」には到底なれない…60代の元ブルーカラーは今無職

  2. 7

    来春の統一地方選の争点は「皇室典範」再改正で決まり 高市内閣支持率急落で野党にも一筋の光明

  3. 8

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  4. 9

    一番驚いているのは自民に入れた有権者 「数の力」をなぜ、こんなバカげたことばかりに使うのか

  5. 10

    今夏の専大松戸の継投策が「エース→2番手」ではなく「2番手→エース」の理由…いざ千葉県大会決勝へ