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黒岩泰株式アナリスト

山一証券、フィスコなどを経て、2009年4月に独立。独自理論である「窓・壁・軸理論」をもとに投資家に、株式・先物・オプションの助言を行う。著書に「究極のテクニカル分析」「黒岩流~窓・壁・軸理論」など。

「この株は絶対に上がる」は危険…荒波のマネー戦線を生き抜く最強の武器とは?

公開日: 更新日:

 しかし、豊富な人生経験を備えたシニアであれば、このしなやかな思考こそが最大の武器となり得る。

 この単純化の罠は、ニュースの世界以上に「お金(資産形成)」の現場で鋭い牙をむく。

「この株は絶対に上がる」

「これ一本で老後は安心」

 と、決めつけるのはあまりに危険だ。ネットの心地よい情報(エコーチェンバー・確証バイアス)に浸り、都合の悪いリスクを「0」として切り捨てる思考停止こそが、資産を溶かす最大の罠となる。

 ネット上で流れる断定的な儲け話ほど、私たちが最も陥りやすい甘い誘惑なのだ。

 投資の達人であるシニアは違う。

「上がるかもしれないし、下がるかもしれない」という可能性の重ね合わせ(分散投資とリスクヘッジ)を常に意識している。

 相場はそもそも予測不能であり、自分の読みが外れる可能性をあらかじめ考慮に入れておくべきだ。一つの答えをうのみにせず、不確実な曖昧さを受け入れる柔軟性こそが、荒波のマネー戦線を確実に生き抜く最強の武器となる。

 相場も人生も、「絶対に正しい白」など存在しない。0か1の幻想から抜け出し、しなやかに「どちらもあり得る」と構えること。それこそが、ネットのノイズに惑わされず、自らの手で大切な資産を未来永劫に守り抜く、真のシニアのマネー防衛術となる。

【連載】シニアのためのマネー講座

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