性能向上で冠水路も走行できる最新自動車の落とし穴 「安易に進入せず可能な限り迂回を」とJAF警鐘
エンジン水没で中古価格はほぼ無価値に
水位が低くても走行時に巻き上げた大量の水で電気系統に異常が出ればエンジン停止のリスクがあるし、万が一故障すれば修理費用もかさむ。そもそも前を走っている車が古い車種で止まってしまえば、後続のこちらも巻き添えで先に進むことはできない。
ちなみに、千葉豪雨の際、JAFが8月13日から16日までに受け付けた救援要請は3871件もあった。浸水した車両は水が引いた後でエンジンをかけると、破損や感電のおそれがあるので気を付けたい。
さらに冠水路を走行するのがダメなもうひとつの理由が、エンジンがダメになると電気で開閉できる窓が開かなくなって脱出できなくなること。
やはりプリウスの場合だが、電気装置が損傷してパワーウインドーが作動しなくなるおそれがある。用心のため「緊急脱出用ハンマー」を準備している人もいるだろうが、実はプリウスのフロントウインドーとドアには“合わせガラス”が使用されており、ハンマーではとても割ることができない。というより、1987年以降に製造される自動車のフロントガラスは、この合わせガラスを装備することが道路運送車両法で義務づけられており、人間の力ではヒビが入るだけで、割ることはできない。破片の飛び散りによるケガや盗難防止のための高性能ガラスが逆に脱出の際には落とし穴になるようだ。
また、一度でも水没した車両は冠水車(水没車)としての履歴が残り、中古価格が大幅ダウンしてしまう。
「JAAI(日本自動車査定協会)の査定基準では、フロア(床面)まで浸水の場合は基準価格から30~50%の減点。シート上部の浸水で40~70%の減点。ダッシュボード上部(エンジンまで水没)の浸水は50%~全損扱いとなり、自動車保険に加入していれば大雨や内水氾濫による冠水は補償対象なので、基本的には買い替えた方がよいとされます。ただ、地震による水没は補償の対象外です」(ジャーナリスト・中森勇人氏)
冠水路を走行中、「まだ行ける!」「前の車も動いているぞ」という一瞬の判断の迷いが致命傷になりかねない。


















