大阪府の淫行条例で話題 処罰されない「真剣交際」って何
大阪府は18歳未満とのいわゆる「淫行」の立件数が大幅に少ない。そのため、「淫行特区」などと揶揄(やゆ)されてきました。この原因は、大阪府の青少年健全育成条例の淫行処罰規定のハードルの高さにあります。
ほかの多くの都道府県の青少年健全育成条例では、「単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められない性行為」「青少年とみだらな性交」を罰則の対象にしています。要は18歳未満との「真剣な交際」を前提にした性行為以外はアウトという定め方になっています。
しかし、大阪府青少年健全育成条例は「専ら性的欲望を満足させる目的で、『青少年を威迫し、欺き、又は困惑させて』、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと」を処罰対象にしています。つまり威迫・欺罔(ぎもう)・困惑をさせたことが裏付けられない限りは立件できない規定になっています。
例えば、成人が17歳をナンパして、食事をして盛り上がって、その日にホテルに行ったというようなケースの場合、通常は威迫・欺罔・困惑いずれもないでしょう。大阪の条例で立件するのは非常に難しいと思います。その結果、神奈川県で2018年に淫行で立件された件数が162件もあったのに対し、大阪府ではわずかに1件だけでした。