夕月 清水淳子社長(5)3.11で冷凍庫が故障 かまぼこ3カ月分の原料すり身がピンチに

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 その日は冬型の天気で、いわき市は冷たい北風が吹いて肌寒かったが、日中は晴れていた。夕月には午前中、大手スーパーのバイヤーが商談を兼ねて都内から工場見学に来ており、慌ただしく時が過ぎていた。

 そして、いつもの金曜日の午後を迎え、取引先や各地の市場へ向かう商品の積み込みが始まって間もない午後2時46分。凄まじい地鳴りとともに大地が揺れた。

 2011年3月11日。東北から関東にかけて、未曽有の大被害をもたらした東日本大震災だ。マグニチュードは9.0、宮城県北部の栗原市で最大震度7を観測。いわき市は震度6弱だったが、当時、高品質ブランド「美味一膳」を担当していた清水社長は「立っていられないほどの大地震は初めて。事務所にいたので慌ててデスクの下に潜り込みました」と振り返る。

「すぐに生産ラインを止め、従業員の安全確保のために本社の前にある駐車場に避難しました。おかげさまでケガをした人は誰もおらず、各自が携帯電話で家族に連絡を取ったところ、全員の無事が確認できたので、まずはひと安心。でも、屋内のテレビが視聴できないため、会社のライトバンのラジオで情報収集せざるを得ませんでした」

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