著者のコラム一覧
中西文行「ロータス投資研究所」代表

法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所」代表。

日本経済のマイナス成長は続くのに株高の違和感…年度末の3月相場はどうなる?

公開日: 更新日:

 日経平均株価は史上最高値を更新したが、「不景気の株高」なのか、実態景気との乖離に違和感がある。

■史上最高値のカラクリ

 史上最高値の要因は何か。1989年のバブル崩壊後、株式市場に個人投資家を誘因するため93年に「るいとう」(毎月定額で株式を購入)、95年に「ミニ株」、99年に東証マザーズ市場開設、2001年に売買単位を1000株から100株への引き下げやiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)、日本版401k(確定拠出年金)の導入、10年には日銀がインデックスETFの購入開始(24年2月までで累計取得額は約37兆円)、14年1月にNISA(個人投資家のための税制優遇制度)を開始、今年1月からは新NISAである。これらの集大成が史上最高値更新である。

 今週から名実ともに年度末の3月相場に突入する。3月は主要企業、金融機関の決算月であり、月末に向けて為替や株価に目配りが重要になる。昨年3月31日、ドル円レートは1ドル=132円、日経平均株価は2万8041円だったが、足元は1ドル=150円台、日経平均株価は3万9000円前後と変わり、日銀が市場介入する必要性はない。

 機関投資家ならば、いや個人投資家でも、年度末接近で株価が最高値圏ならいったん「利益確定売り」を出すのが常套手段だろう。永久に保有し続けるなら、それは運用ではない。仮に、4月以降、値下がりに転じれば「利益確定の機会」を逃し、財産の毀損ともなろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  2. 2

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 3

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  4. 4

    どうなる2025年の忘年会? インフル大流行、インバウンド、実施企業減で飲食店に“三重苦”

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    飛び交う玉木雄一郎代表「12月辞任説」…国民民主党ついに倫理委員会で“グラドル不倫”調査

  2. 7

    秋田・岩手で過去最高の水準…クマ被害と住宅着工激減の構造的な関係

  3. 8

    麻生太郎氏に「10月政界引退説」 派閥の「裏金疑惑」拡大で窮地…気づけば孤立無援

  4. 9

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  5. 10

    ペヤングソースやきそば(まるか食品)これまで投入した味は600品以上 2020年発売「モノホントンコツMAX」の評判は…

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ