自民もう1つの「裏金」…脱法スキームが現職閣僚に飛び火!新藤経済再生相ブチ切れ、小泉法相は錯乱

公開日: 更新日:

 自民党派閥の裏金追及が参院に移った初日、4日の予算委員会は大荒れだった。日刊ゲンダイ(先月28日付)は、安倍派の「キックバック不記載」とは別に、茂木幹事長と棚橋泰文元国家公安委員長が繰り出した“裏金スキーム”の実態を報じた。さらに、現職閣僚が同じ脱法裏金に手を染めていたことが発覚。当事者の大臣は錯乱しきりだ。

 ◇  ◇  ◇

 問題の閣僚は、新藤義孝経済再生相と小泉龍司法相。政治資金を使途公開義務の厳格な政治団体から、公開義務が緩~い団体に移し、使途の大半を事実上、隠蔽している。

 政治資金規正法は、国会議員が代表を務める「資金管理団体」や「政党支部」については、1件1万円超の経常経費と政治活動費を収支報告書に記載するよう義務付けている。一方「その他の政治団体」の規制はユルユル。そもそも経常経費に記載義務はなく、政治活動費の記載義務の対象は1件5万円以上の支出のみだ。

 4日の参院予算委で質問に立った立憲民主の蓮舫議員によると、新藤氏が代表を務める政党支部は2022年までの10年間で、「その他」の「新藤義孝後援会」に2億6000万円を寄付。後援会の収入の9割超が政党支部からの付け替えで、使途の明細開示率はたったの9.8%だった。

 一方の小泉氏は同期間に資金管理団体から、やはり「その他」の「小泉龍司後援会」に7802万円を付け替え。後援会収入の86%が資金管理団体からのものだった。明細開示率はわずか30.9%だ。

 2人とも、それぞれの団体の住所、会計責任者、事務担当者が一致。外形上は同一団体にしか見えず、わざわざ資金を移動する理由は乏しい。あえて公開義務が甘い後援会にカネを付け替えるのは、使途の不透明化が狙いとしか思えない。「政治資金の収支の状況を国民の前に明らかにすること」という規正法の趣旨をあざ笑うような脱法手口だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  4. 4

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    「プーチン心停止で影武者代行」情報…訪中大失敗のストレス、ロ国内に広がる大統領5選は無理の空気

  2. 7

    ホタテ漁で栄華を極めた北海道猿払村は中国への輸出停止でどうなった?漁師はメディアに“警戒モード”

  3. 8

    日産本社ビルを970億円で事実上買収…台湾系自動車部品メーカー「敏実集団」の狙い

  4. 9

    飛び交う玉木雄一郎代表「12月辞任説」…国民民主党ついに倫理委員会で“グラドル不倫”調査

  5. 10

    防衛網は大丈夫か? 危惧される日本のデジタル脆弱性…競争力ランクは中国、韓国より下位

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?