著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

しまむら(下)2024年2月期は過去最高…4年前のどん底から見事に復活するまで

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 商売の原点に立ち戻るしかない。「中興の祖」である藤原秀次郎相談役(79=当時)を取締役に復帰させた。傘寿を迎える取締役の復帰に、株主の反応は厳しかった。同社が開示した臨時報告書によると、藤原の取締役選任の賛成率は66.9%にとどまった。機関投資家がノーを突きつけた。

 創業者は島村恒俊。1953年、埼玉県比企郡小川町で島村呉服店を設立。将来のチェーンストア時代の到来を先読みし、61年、埼玉県東松山市にしまむら第1号を出店。チェーン展開を始めた。

 藤原は慶応義塾大学を卒業後、家業を経て、70年、島村呉服店(現しまむら)に入社。藤原の経営者としての才能を見いだした島村は、若い藤原に重要な役割を与え、どんどん昇進させた。90年から15年間にわたってしまむら社長、その後の4年間は会長を務めた。

 この間、ファッションセンターしまむらは猛烈な勢いで全国に展開、2009年相談役に退くまでに店舗数は1500を突破。社長・会長の在任中に店舗数を15倍に増やした。

 創業当初、島村呉服店は埼玉県の小さな呉服店にすぎなかったが、今やユニクロを展開するファーストリテイリングに次ぐアパレル業界2位の売り上げまでになった。

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