著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

しまむら(下)2024年2月期は過去最高…4年前のどん底から見事に復活するまで

公開日: 更新日:

 地方の郊外に、低価格のカジュアル衣料品店を展開。老舗のアパレルが都心の出店で共食いするのを尻目に、しまむらは急成長を遂げた。巨大な流通資本が入ってこない、いわば、隙間を狙い撃ちにした。

 しまむらをいかに再生させたのか。「売り場を見て、組織と数字に置き換えられない人は経営者ではない」というのが藤原の持論だ。

 新社長の鈴木は中期経営計画で商品や販売力の見直しに着手。「基本を徹底するため、まず商品を強化した」という。

 しまむらは婦人・紳士から寝具まで幅広い商品を取り扱っている。PB(プライベートブランド商品)、サプライヤーとの共同開発、コラボ商品の3つに力点を置いた。3年目に入った頃には、ベビー・子供から50代以上までをカバーできる10のブランドが出そろった。

 田舎のおばちゃんの服と揶揄された、かつての商品はない。客層が若返り、高価格帯商品の導入も貢献し、過去最高の業績をもたらした。

 27年2月期までの新中期経営計画では売上高7190億円(前期は6350億円)、営業利益率9.2%(同8.7%)を目指す。人件費の上昇が目の前にある。中計達成には大きな越えなければならない山がいくつもある。 =敬称略

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • ビジネスのアクセスランキング

  1. 1

    名門ゼネコン復活なるか? 三井住友建設はインフロニアHDによる買収で完全子会社化へ

  2. 2

    “コンビニキラー”まいばすけっと「勝利の方程式」 店舗数の割に目立たなくても他社を圧倒

  3. 3

    ロピア(上)カトパンの夫が社長就任後に急成長 イトーヨーカ堂の7店舗を手に入れる

  4. 4

    日産18年ぶり国内早期退職募集の大リストラも…再びのV字回復はイバラ道、会社消滅の可能性も

  5. 5

    牛丼の吉野家が“ラーメン世界一”を目指すしかない切実事情…「第3の柱」に掲げるも“窮余の一策”

  1. 6

    業界2位に躍進した北海道発の作業服チェーンが、ワークマンより10年早く始めた成功の秘訣

  2. 7

    山田養蜂場“パパ活”専務逮捕で経営に大打撃…グループ企業向け貸し付けが今後の課題

  3. 8

    リブセンス 村上太一社長(1)不安を解消するには行動…学生時代に創業し史上最年少25歳で1部上場

  4. 9

    くも膜下出血で早逝「ブラックモンブラン」41歳副社長の夫が遺してくれたもの…妻で竹下製菓社長が告白

  5. 10

    トランプ政権もう不協和音?イーロン・マスク氏「ソフトバンクはカネがない」と78兆円AI投資に疑義の本音

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広島新井監督がブチギレた阪神藤川監督の“無思慮”…視線合わせて握手も遺恨は消えず

  2. 2

    ヤクルト村上宗隆「メジャー430億円契約報道」の笑止…せいぜい「5分の1程度」と専門家

  3. 3

    1年ぶりNHKレギュラー復活「ブラタモリ」が好調も…心配な観光番組化、案内役とのやり取りにも無理が

  4. 4

    回復しない日本人の海外旅行…出入国数はGWもふるわず、コロナ禍前の半分に

  5. 5

    故・川田亜子さんトラブル判明した「謎の最期」から16年…TBS安住紳一郎アナが“あの曲”を再び

  1. 6

    「リースバック」で騙される高齢者続出の深刻…家を追い出されるケースも

  2. 7

    眞子さん極秘出産で小室圭さんついにパパに…秋篠宮ご夫妻に初孫誕生で注目される「第一子の性別」

  3. 8

    田中圭にくすぶり続ける「離婚危機」の噂…妻さくらの“監視下”で6月も舞台にドラマと主演が続くが

  4. 9

    千葉工大が近大を抑えて全国トップに 「志願者数増加」人気大学ランキング50

  5. 10

    三山凌輝活動休止への遅すぎた対応…SKY-HIがJYパークになれない理由