食い違う日米合意、「相互関税」も日本は特例対象外…トランプ関税は「持久戦」待ったなし

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米国内はインフレ再燃の兆し

 こうも齟齬が相次いでは、もはや「合意」と言えるのかどうかすら怪しいレベル。相手は石破首相も「普通ではない」と認めるトランプ大統領だが、合意内容の詰め作業が長引く持久戦になればなるほど、日本のみならず米国内の経済にとっても痛手になる。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版2日付)は〈遅れてきた関税の痛み 消費者も感じ始めた〉と題した記事で、こう指摘している。

〈今週発表された米商務省などの政府データによると、家具や玩具、家電など関税の影響を強く受ける商品の価格が6月に上がった〉

〈ハーバード大の経済学者アルベルト・カバロ氏によれば、3月上旬から、輸入品価格は平均3%上昇しており、特に中国製品はより大きく上昇したという〉

 トランプ関税による米国内のインフレは緩やかであり、今後の物価への影響は見通せないとする一方、〈経済学者は最終的に消費者が(関税の)代償を払うことになる〉と締めくくった。ここにトランプの“弱点”がある。経済評論家の斎藤満氏が言う。

「トランプ関税が発表された当初の予想に比べ、米国内のインフレは穏やかで景気は堅調に推移していますが、それも日本をはじめ輸出国側が関税によるコスト増を吸収しているからです。積極的に価格転嫁をしないことには、トランプ関税の過ちは看過され、むしろ正当化されてしまう。輸出する側が遠慮している場合ではないのです。トランプ関税が米国の消費者にとって『増税』であり、インフレを再燃させる悪材料だと認識されれば、国内世論の反発を受けてトランプ氏も政策転換せざるを得なくなるかもしれません」

 トランプは約80兆円の対米投資についても、「野球選手が受け取る契約金のようなもの」「我々が好きなように投資できる資金」と言いたい放題である。俺らこんな人いやだ。

  ◇  ◇  ◇

 トランプ関税についての日米合意の危うさ、いい加減さについては、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などで詳しく報じている。

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