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森岡英樹経済ジャーナリスト

1957年生まれ。早稲田大学卒業後、 経済記者となる。1997年、米コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年にジャーナリストとして独立。

3メガバンクが揃って過去最高益へ…「金利ある世界」になったことで状況が一変

公開日: 更新日:

 こうしたことから、3メガバンクとも「預貸の両面で規模の拡大を図る」(同)ことが当面の戦略となる。

 三菱UFJ銀行が8月4日から、1年物の定期預金の金利を期間限定で1.0%(税引き前)に引き上げたのはその象徴的な動きだ。同行の1年物の金利では、2005年に三菱UFJフィナンシャル・グループが発足して以降で最高水準となる。

 三菱UFJ銀のスマートフォンアプリ経由などで、ウェブサイトから9月24日までに申し込み、10万円以上預け入れることが条件で、1人あたりの預入額の上限は100万円となる。申し込みの総額が1兆円に達した時点で受け付けは終了する。

 三菱UFJ銀は預金量や口座数で他行を圧倒しているが、新規口座の獲得ではネット銀行に劣後しており、危機感を抱いていた。1.0%という思い切った金利水準は、ネット銀行との競合を視野に入れてのものだろう。

 これまでの「金利のない世界」では、個人を中心としたリテール市場は利幅が小さい割に高コストで、妙味の少ない世界だったが、「金利のある世界」では状況が一変した。

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