著者のコラム一覧
森岡英樹経済ジャーナリスト

1957年生まれ。早稲田大学卒業後、 経済記者となる。1997年、米コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年にジャーナリストとして独立。

“無税”で上場したソニーFGは特別扱いか…後続企業に立ちはだかる高い壁

公開日: 更新日:

 通常の新規株式公開(IPO)と違い、証券会社の株式引き受けを伴わないダイレクトリスティング方式のため、引受手数料などの上場コストを抑えられるメリットがある。  

 さらに、税的恩典が大きい。「親会社に持ち分を一部残してスピンオフを行う際、一定の要件を満たすと譲渡損益や配当へ課税されない」(金融関係者)という。パーシャルスピンオフでは、子会社を完全に分離せず、元親会社に持ち分を一部残すことで、譲渡損益や配当の課税が繰り延べられるのだ。

■24年度の税制改正で…

 また、親会社のブランドやシステムを引き続き使う事例が多いため、親会社との一定の関係維持が円滑な事業切り出しにつながる。いわば、いいとこ取りの会社分割なので、「利益率が低空飛行の事業部門を抱えるコングロマリットなど、電機メーカー、重電系など、今後ソニーFGに続く企業が相次ぐのではないか」(金融関係者)との見方もある。

 だが、そこには壁が立ちはだかっている。


「24年度の税制改正で、分離する企業の主要な事業が新規活動であることという要件が加わった。このため今後、ソニーグループのように既存事業を切り出すには制約がかかる」(金融関係者)というのだ。ソニーグループが利用したパーシャルスピンオフは、この要件が加わる直前の「23年度版」。「いいとこ取りのパーシャルスピンオフ税制はソニーFGが最初で最後だったということになりかねない」(金融関係者)と見られている。

 遠藤社長は上場直前のメディア向け説明会で、「これまではソニーグループしか、(ソニーFGを)モニターする株主はいなかったが、これからはおそらく30万社・人以上の株主に見られ、厳しく批判される」と語っていた。真価はこれから問われる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    羽田空港で航空機炎上…日本航空が支払う補償金「1人一律20万円」の根拠は?

  2. 2

    元安倍派・豊田真由子氏が「羽鳥慎一モーニングショー」で暴露!“パー券販売”の驚愕実態にSNS震撼

  3. 3

    トランプ米国がむさぼるベネズエラ石油利権に日本が負担する「巨額投資」 ジャパンマネーでインフラ修復か

  4. 4

    2026年は米価が値頃になるのか? 昨年末には最高値更新も業界には先安感漂う

  5. 5

    実質賃金11カ月連続減! 止まらない“マイナス地獄”は深掘り必至、高市首相は楽観も庶民は2026年も青息吐息

  1. 6

    「プーチン心停止で影武者代行」情報…訪中大失敗のストレス、ロ国内に広がる大統領5選は無理の空気

  2. 7

    名古屋のスーパーが「核融合エネルギー」を利用へ 国内初、世界でも4番目の売買契約

  3. 8

    飛び交う玉木雄一郎代表「12月辞任説」…国民民主党ついに倫理委員会で“グラドル不倫”調査

  4. 9

    自民“裏金非公認”は偽装だった!赤旗砲またも炸裂「党本部が非公認の支部に2000万円振り込み」の衝撃

  5. 10

    高市首相が年頭会見で「公約」も…実質賃金「プラス1.3%」達成は本当に実現できるのか?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網