京都駅東部エリア、芸大移転が流れを変えた、生まれ変わった崇仁地区を回廊でめぐる

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芸大移転で流れが変わり、チームラボが起爆剤

 ところで、そもそも京都駅東側の再開発はなぜ遅れ、今注目されているのか。

 古くから「崇仁地区」と呼ばれるこの一帯は、特殊な職種の就業者や在日コリアンなど、差別的に扱われる人々が多く居住。独自の集落を形成して、長い間にわたって排他的な地域として扱われてきた。

 その象徴的な建造物として存在する「柳原銀行記念資料館」は、資金繰りに苦労した被差別部落の住民によって設立された日本唯一の銀行のメモリアルホールだ。この地域の発展に欠かせない銀行だったと指摘されている。

 いわれなき差別を乗り越えてきた地域が、再開発によって近代的な街に生まれ変わることができるのか。そんな熱い視線が注がれているのだという。鳴滝氏が続ける。

「芸術大の移転構想が浮上した頃から、崇仁地区はだいぶ変わってきました。外資系をはじめ複数のホテルや商業施設が開業しましたからね。個人的には、チームラボが起爆剤になっていると感じます。これほど大規模なチームラボは、東京と大阪に次ぐ全国で3施設目ですが、1日の来場者数が4000~5000人という集客力はすごい。京都駅から徒歩圏内なので、オープンした昨年10月ごろから明らかに人の流れが変わりました。これまでは崇仁地区に足を運ぶことをためらう人もいたかもしれませんが、今はまったく違います。間違いなくこのエリアのキーになっていますね」

「崇仁地区」の再開発に関して、鳴滝氏が描く構想の中にも回廊があるそうだ。チームラボと目下建設中の大規模複合ビル、HUB京都などを結びたいという。

「ここまで来たんだから、せっかくなのであの施設に行ってみようとかね。森でなくてもいいんですよ。幸い芸術大の近くには、まだ更地がたくさんあります。駅からもそう遠くない一等地なので、そのまま置いておくのはもったいない。地域の方々からは、『これまでの歴史、文化、芸術を大切にし、それを継承するようなものを』という声をよく聞きます。京都市の土地なので、民間がそうした価値観に合うような提案をして施設建造が実現すれば、回廊の意味が深まりますよね」

 入館無料の柳原銀行記念資料館には、同和問題や人権問題への理解を深める啓発拠点として、被差別の歴史などを記録した資料も収められている。チームラボで没入型デジタルアートを楽しみ、快適な回廊を歩いて複合施設でショッピングやカフェを満喫し、最後は資料館で地域の貴重な歴史を学ぶ……。

 数年前まで、誰が崇仁地区のこんな未来図を予測しただろうか。

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