中村芳平
著者のコラム一覧
中村芳平外食ジャーナリスト

1947年3月9日、群馬県生まれ。早大卒。「週刊サンケイ」の契約記者などを経てフリーに。近著に「居酒屋チェーン戦国史」(イースト新書)。

酎ハイブームの火付け役「村さ来」の店舗数は最盛期の13%

公開日: 更新日:

 養老乃瀧、つぼ八と並んで居酒屋チェーンの“旧ご三家”を形成した「村さ来」。なかでも居酒屋業界のイノベーションに最も貢献したのが、村さ来の創業者・清宮勝一(故人)だった。

 清宮は北海道根室市出身。一橋大学受験に2度失敗。新宿のホステスのいるサントリーバーでバーテンのアルバイトを始めたのが、この世界に入るきっかけだった。1959年に独立、トリスバーを開業、5年で7店舗展開した。

 やがて世田谷区経堂店(後に「村さ来」1号店)だけを残し、6店舗を売却。65年から73年までの8年間、読書と日本中の飲食店を訪ねる旅を続けた。その結果、清宮はコンセプトを「故郷」(「村さ、来い」)とし、若者向けに「日本一安い串焼き屋」を開発することにした。

 清宮は「日本一の安さ」を実現するために、戦略としてマージンミックスを導入した。一般的に飲食店の現場では、原材料費を基準にして3~5倍の価格をつけ、一品一品から粗利を出している。これに対し100円均一ショップなどでは「原価率の高いものも低いものもあるが、トータルで一定の粗利を出す」マージンミックスが採用されている。清宮は豊富なメニューを開発することで、トータルで利益を出すことにし、実験店を7店舗開店。試行錯誤を繰り返した。

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