支持率低迷の石破自民が参院選の「争点隠し」…年金底上げ断念で就職氷河期世代を切り捨て

公開日: 更新日:

 言わずもがな年金改革は待ったなしの課題である。経済成長しない限り、基礎年金の給付水準は2057年に今より3割も減る。最大の被害者は、いわゆる「就職氷河期世代」だ。

 16日の衆院厚労委員会で、立憲民主党長妻昭議員が昨年の厚労省の財政検証に基づき、現役世代の手取り収入に対する年金の給付水準を示す「所得代替率」の見通しを提示。就職氷河期世代の年長グループ(昨年時点で54歳)が年金受給年齢に達する2037年には所得代替率が「1割減」、年少者グループ(同38歳)が年金受給できる47年には「2割減」、氷河期世代全体が71~87歳になる57年には「3割減」に至ると指摘した。

■甘すぎる政府の経済見通し

 どう対処するのか──。長妻氏から単刀直入に聞かれた福岡資麿厚労相は、「今後の経済状況を見極めた上で(底上げを)判断する必要がある」の一点張り。しかし、政府が想定する経済見通しは極めて甘い。長妻氏に改めて聞いた。

「政府は『過去30年投影ケース』という言葉を用いて、基礎年金が3割減になると示しています。今後100年にわたって実質賃金が毎年0.5%上昇するという前提です。しかし、過去30年の実質賃金の伸びは実際のところ0.0%。『過去30年投影ケース』とは名ばかりで、実態を反映しているわけではないのです。足元の実質賃金はマイナスなのに、あまりに楽観的です。ただでさえ就職氷河期世代は低賃金で、将来もらえる年金も少ない。そこへ年金目減りが重なりかねません。政府・与党にグズグズしている暇はないはずです」

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    随意契約“小泉米”をホメているのは新聞とテレビだけ…専門家の評判はからっきし

  2. 2

    石丸現象は完全消滅…都議選で自民党と並ぶ42人擁立も新党「再生の道」は壊滅危機

  3. 3

    山尾志桜里氏「みそぎ」の出馬会見で火に油…延々2時間半「すみません」連呼、8年前の不倫報道には“完黙”

  4. 4

    国民民主党の凋落が止まらない…東京都議選の目標議席「11→5」にシレッと“下方修正”の哀れ

  5. 5

    進次郎農相の“JA憎し”どこまで…「古古古古米」込み20万トン再放出の“逆兵糧攻め”で宿敵つぶしに躍起

  1. 6

    山尾志桜里氏が参院選「公認取り消し」に至るまで…玉木国民民主またポンコツぶり露呈

  2. 7

    コメ高騰と備蓄米叩き売りで進次郎農相・自民農水族・財務省が“焼け太り”…輸入拡大ならトランプ大統領もニンマリか

  3. 8

    福岡厚労相ついに“白旗”…健康保険証の代わり「資格確認書」の一律送付「最後は自治体の判断に委ねる」

  4. 9

    参院選の争点に浮上か? 野党3党がガソリン「暫定税率廃止」法案を共同提出する深謀遠慮

  5. 10

    自民党の大嘘…12年前に掲げた「農業・農村全体の所得を今後10年間で倍増」はどうなった?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波