高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」
「米中大型ディールの邪魔をするな」
高市政権はGDP比2%水準への防衛費増額を前倒しし、5類型に限った防衛装備品輸出の原則も取っ払うつもりだ。平和主義の防波堤を次々壊し、「台湾有事」を巡る「存立危機事態」答弁で自ら火の種をまいた日中対立を念頭にイケイケドンドン。米国との軍事一体化を加速させているが、問題は今の米トランプ政権が本気で日中対立と高市首相の軍拡シナリオを望んでいるのかどうかだ。
米国の本音が垣間見えたのは、25日の高市首相とトランプ米大統領との電話会談だ。中国の習近平国家主席との電話会談の直後、トランプ大統領側からの呼びかけで急きょセッティング。会談後、高市首相は「習近平との会談を含む最近の米中関係について説明を受けた」と語ったが、自身の台湾有事答弁が議題に上がったかは明言しなかった。
一方、トランプ大統領はSNSで来年4月の北京訪問の招待を受け入れたと表明。返礼として来年中に習近平主席が「国賓」として訪米することで合意したとも明かし、米中関係は「極めて強固だ!」と強調したが、台湾問題への言及はゼロだ。
「トランプ氏は対中通商交渉を最優先。高市氏の台湾有事答弁後も日中対立に距離を置き、台湾問題には沈黙したまま。習近平氏との会談後、高市氏に対話を持ちかけたのは『中国の挑発に乗らないよな?』という牽制でしょう。中国批判を控え、大きなディールをまとめようとしている最中に余計なことをするなというわけです」(国際ジャーナリスト・春名幹男氏)
トランプ大統領にすれば「いらんこと言い」の高市首相こそ邪魔者扱い。米国頼りの軍拡シナリオに早くも綻びがみえてきた。
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