オーナーも“持病”認めた 阪神の「育成下手」はいつ治るのか
その声を、フロントはどう聞いているのか。
日本シリーズ敗退後に坂井オーナーがスポーツ紙に対し、「責任はフロントにある。ウチは選手層がいびつ」と言及した。三塁を守れる今成、新井良が故障したことで、CS、日本シリーズでは右肘の遊離軟骨に苦しんだ西岡を三塁で起用。無理をした西岡は右肘の手術に追い込まれたとみられている。
今の阪神の二軍には、主力の故障者をカバーできる選手がほとんどいない。夏場に新井良が登録抹消されたとき、一軍に昇格したのは外野の狩野。新井貴、坂らが持ち回りで三塁を守った。若手内野手では主に二塁を守る大卒4年目の荒木(26)が15試合に出場しただけ。高卒の指定強化選手でいえば、12年ドラフト2位の北條(20)は一軍登録はわずか3日(試合出場はなし)。11年ドラフト3位の西田(21)は一軍昇格ゼロ。外野では10年ドラフト2位の一二三(22)は4年間で一軍出場すらない。
■若手の成長を妨げる二軍の全体練習
阪神の育成下手は今に始まったことではない。今年のメンバーで生え抜きのレギュラーは鳥谷、上本、大和の3人だけ。福留、西岡、今成、新井兄弟、藤井、鶴岡はみな“外様”。ポジションに穴があけば豊富な補強資金やトレードでチーム編成してきた結果が今につながっている。鳥谷のメジャー挑戦が濃厚という事情からか、12年オフに西武からアスレチックスに移籍してマイナーでくすぶっている中島(32)を狙っているという。3年10億円なんて報道もあるが、獲得に動けば同じことの繰り返しである。