日本相撲協会が衆院解散・総選挙に“戦々恐々”のワケ
安倍総理が仕掛けた、突然の解散・総選挙。これを対岸の火事で済ませることができないのが日本相撲協会だ。
相撲協会は昔から「長いものには巻かれる」主義。戦後、長らく与党を担ってきた自民党とはズブズブの関係にある。これまで協会がデタラメし放題だったのも「自民党が与党でいる限り何をやっても大丈夫。相撲は国技なんだから守ってもらえる」とタカをくくってきたからだ。
九州場所8日目に行われた理事会で決まった定年制度の延長がその典型だ。これまでの65歳定年から、希望者に限り70歳まで延長。理事などの要職には就けず、部屋も持てない。それでも給料は定年前の7割をもらえるうえ、年寄株まで保持できる。現職の親方連中からすれば願ったりかなったりだ。
そもそも引退した親方で食うに困っている者はほとんどいない。保有していた株を数億円で後継者に売るのだから、悠々自適。そんな連中をさらに優遇する理由なんてどこにもない。むしろ若い力士が親方になるチャンスを奪うだけだ。
定年制度改革は、民主党政権下では到底不可能だった。八百長問題の際、文科省に徹底的な調査や改革を命じたのは与党が民主党だったから。実質的に個人間で高額売買されていた年寄株にもメスを入れ、「協会が一括管理し、譲渡にカネが発生するようなことを禁止しなくては新公益法人制度への移行は許さない」と迫ったほどだ。