今は“地獄”なのか? G伊東キャンプを知るOBが当時を語る
プロ野球の11月といえば秋季キャンプだが、ちょっとばかり厳しい練習で選手が音を上げると、スポーツ紙には「地獄のキャンプ」という文字が並ぶ。
「地獄のキャンプ」といえば、必ず出てくるのが79年5位に終わった巨人の(秋季)伊東キャンプだ。当時、投手コーチだった高橋善正氏(評論家)がこう言う。
限界の先
「リオ五輪で銅メダルを取ったシンクロ日本代表の井村(雅代)ヘッドコーチの指導法をテレビで見た。食べる、寝る、トイレ以外は練習で、1日12時間以上。指導中の怒声を聞いて、伊東キャンプを思い出した。井村コーチは、『限界だという選手を無理やり引っ張る。毎日無理をすれば、それがだんだん無理ではなくなる』と言ったが、当時の私もそうだった。『ここまでならできます』というところで終われば、その先には行けませんから」
■「指導者が選手を追い込めるか」
79年のキャンプは、投手は江川卓、西本聖ら6人、野手は中畑清、篠塚利夫ら12人。若手ばかりで行われた。