6大会ぶり8強入り スウェーデン代表支える心理学者の暗示
スウェーデンが持ち味を存分に発揮して8強入りを決めた。
同じく堅守のスイスに対し、後半21分、MFフォシュベリ(26=ライプチヒ)が左からのパスを受けると、中に切りこんで右足で放ったシュートはDFに当たって先制ゴール。終盤は相手にボールを支配されながらも、CBで主将のグランクビスト(33=クラスノダール)らを中心とした鉄壁の防御で自陣ゴール前を固めて、スイスの反撃を封じ込めた。
3大会ぶり出場のスウェーデンは94年米国W杯以来、24年ぶりの準々決勝進出である。
イタリア・セリエAのMVPに選ばれたFWイブラヒモビッチが16年を最後に代表を引退して以降、世界的なスター選手は不在。アンデション監督のもと、個人の力に頼らず、統率の取れたチームワークと堅守で勝ち上がってきた。欧州予選では強豪のオランダ、イタリアに土をつけ、敗退に追い込んだ。
地味ながら安定した戦いぶりを見せるスウェーデンを支えているのが、心理学者だ。メンタルアドバイザーとしてチームに帯同するダニエル・エクファル氏は、指揮官に請われて欧州予選からチームスタッフとして加入した。エクファル氏は、どんな状況でも平常心でプレーできるよう、チームミーティング、個別面談を通じて選手のメンタルを強化した。チームの団結力を高めるため、試合中の選手の精神状態まで分析。味方のミスに怒りを表す選手には感情をコントロールする術を身に付けさせるなど、精神的な安定を図っている。