著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大坂なおみには“雑音封じ役”が必要 適役なのは伊達公子だ

公開日: 更新日:

 さらに、突然の解任の憂き目に遭ったサーシャ前コーチが、マイアミ大会に出現した。解任後の3大会で2度対戦したクリスティナ・ムラデノビッチ陣営に参加したとの話もある。サーシャは昨年の最優秀コーチに選ばれた人材だから驚くことでもなく、大坂も表面的には冷静を保っているのだが、内心はどうか。

 この選手の特徴で最大の魅力は、イノセント(無邪気)とインファント(幼稚)で、そんな繊細な少女に雑音は必要以上の影響を及ぼしかねない。マイアミ大会に、姉の大坂まりが唐突に推薦出場したのも、親密な姉を近くにおきたい周囲の気配りと考えられる。

■80%がメンタル勝負

 技術と体力に関しては証明済み。問題はサーシャが果たした精神的サポート、雑音をシャットアウトできる存在になる……半端な抜擢は避け、現在336位の姉が同一行動を取れないとなると、レジェンドコーチとして浮かぶのは伊達公子くらいだ。

 伊達は2年前に現役引退してから、早大大学院の1年制修士課程でサーフェスに関する論文に取り組んでいた。それを今月、最優秀論文として発表し終えて、現在はフリーの身。この人ならツアーを熟知し、物おじもしない。

 本人はコーチに向かないと言うが、大坂が必要なのは雑音防御壁であり、精神安定剤。そこにいてくれればいいのだ。テニスは80%がメンタル勝負ともいわれる。大坂は日本好きだし、母・環さんとほぼ同年齢の伊達なら華もあって、ちょうどいいと思うが……。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒