大一番でスタメンの福岡堅樹にスコットランドは面食らった

公開日: 更新日:

「5、4、3、2、1、ゼロー!」

 電光掲示板の時計が試合終了を示す後半80分に近づくと、横浜国際競技場を満員に埋め尽くした6万7666人の大観衆は、自然とカウントダウンを始めた。

ちょうど80分を知らせるホーンがスタジアムに鳴り響いた時、スクラムハーフの田中史朗は後方で待つフルバックの山中亮平へパス。それを受けた山中がタッチにボールを蹴り出した瞬間、この10年間、日本ラグビー界が最大の目標として掲げたW杯ベスト8の悲願は叶った。

 スタジアムは割れんばかりの大歓声に包まれ、思わず胸に熱いものがこみ上げる。ラグビーの歴史が変わったーー。その現場に立ち会えたことが、これほど幸せに感じるとは思いもしなかった。

 それにしても、後半のスコットランドの逆襲には鬼気迫るものがあった。前半を終えた段階では21対7という大差でジャパンにリードを許していたにもかかわらず、後半に入ると怒涛の反撃。後半55分には1トライ1ゴール差の28対21にまで肉薄したのである。残り時間は約25分。多くの日本人が逆転されることを覚悟したのではないだろうか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘