友成那智
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友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

FA目玉選手が予想以上の早期決着 大物代理人が“危機管理”

公開日: 更新日:

 そうした姿勢に転じたのは、ボラスが引き起こしたFA市場の超スロー化によって大量の犠牲者が出ていたため。FA市場は従来、早い時期は主砲・エース級の補強が中心になり、次はレギュラー級、年明けは控え選手の補強が中心になって2月初旬に終了という大まかな流れがあった。

 しかし、ボラスがそれを無視して2月まで主砲・エース級の交渉を延々とやるようになったため、最後に行われる脇役選手の補強に進まないうちに時間切れになりFA市場から撤退する球団が続出。それによって通常ならメジャー契約をゲットできる脇役選手の行き場がなくなり、引退するか、マイナー契約で居所を探すしかなくなった。こうした選手は球団から理不尽に切り捨てられたという思いが強いので、選手会と球団の間に一時険悪な空気が流れた。ボラスにはまた同じことをやれば今度は自分が厳しい批判にさらされるという思いがあったのだ。

 FA市場がスピーディーに進行していることはメジャー挑戦を宣言している日本人選手にプラスに作用している。エースや主砲級の大半が契約を完了した時期に交渉期間が設定されたため、予想より多くの球団が関心を寄せ、金曜日にレイズ入りが決まった筒香にしても契約規模が予想よりずっと大きくなった。秋山や山口も、そうなる可能性が高い。菊池もメジャー契約をゲットできるかもしれない。

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