ハンドボール代表・蒲生晴明氏 全盛期逃した“世界のガモ”

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中東の笛を提訴

「五輪は12カ国中10位だったけれど、悔いはありません。『やりきった』という気持ちがすごく強かった。予選で韓国中国との激戦を乗り越えて、チームも本当に一致団結して出場権を取り、五輪の舞台に立つ悲願は達成できましたから」

 ロス五輪後は所属先の大同特殊鋼で選手兼監督に。90年代前半には日本代表のコーチ、監督を歴任した。アラブ諸国が有利に判定される“中東の笛”が大問題になった2008年には総監督としてスタジアムに立った。

「90年代は“中東の笛”に苦しみましたよ。審判が中東寄りの笛を吹くからどんなに頑張っても結果は決まっていました。遠征先の空港へ降り立った時に関係者から『日本は4位』と言われ、本当にそうなるんです。これが10年以上続いていた。だから私が強化委員長になった時になんとか変えようと思い、08年北京五輪アジア予選ではスポーツ仲裁裁判所まで行って予選のやり直しにこぎつけました」

 再試合の参加国は日本と韓国のみ。異例のやり直しに1万人を超える観客が代々木体育館へ押しかけた。スタンドの観衆が息をのんで見守る接戦の末、25対28で惜敗。しかし、それ以来“中東の笛”がコートに響くことはなくなったという。

 選手として、監督として辛酸をなめ続けてきた蒲生氏は東京五輪延期を受け、現役選手たちにエールを送る。

「1年後に向かってチャレンジするしかありません。代表になるのは容易なことではありませんが、選ばれた選手たちは格好いいパフォーマンスを見せてほしい。選手自身も楽しみながらケガに注意して、モチベーションを保ってほしい」

▽がもう・せいめい 1954年4月5日生まれ。東京都府中市出身。中央大学付属高校から中央大学へ進学。4年生でモントリオール五輪へ出場。80年モスクワ五輪で代表入り。84年ロス五輪に出場。日本リーグ8回優勝。日本ハンドボールリーグ得点王6年連続6回。引退後は日本代表監督を経て、現在は中部大学で人間力創成総合教育センター教授を務める。

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