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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

ドラ2井上広大を“1安打”でスター扱いする阪神の悪しき伝統

公開日: 更新日:

 あらためて振り返ってみるが、この初安打は試合を決める殊勲打でもなければホームランでもない。その日、初スタメンで猛打賞を記録したわけでもない。自軍がリードしている八回無死一塁の場面で代打出場して、プロ8打席目で初安打が飛び出しただけである。

 これをここまでセンセーショナルに騒ぎ立てるのはどうなんだろう。もちろん、私も虎党の一人として井上に期待しているが、ルーキーが初安打を記録しただけで一躍スター化してしまう阪神球団とそれを取り巻くマスコミ環境には危うさを感じる。

 この昔から一向に変わらない選手チヤホヤ体質は、人気球団の宿命として甘受するしかないのか、それとも悪しき伝統として球団やマスコミが改善すべきなのか。私は圧倒的に後者支持の立場だから、この既視感にあふれたローカル狂騒曲にはもはや呆れるばかりだ。「ストップ、井上のスター化」と叫びたい。

 井上はまだ19歳である。プロでの打撃成績は現時点で10打数1安打1打点、打率・100。それを肝に銘じて、この少年を応援するつもりだ。

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