白鵬コロナ感染は終わりの始まり 初場所絶望で現役に暗雲

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医師は「体重が150キロ超という点は心配」と

 相撲は太ってナンボの競技。糖尿病をはじめとした内臓疾患を抱える力士、親方は少なくない。白鵬もかつては睡眠時無呼吸症候群を患っていた。

 重症化しないことを祈るばかりだが、治癒しても後遺症の不安が残る。

 日本循環器病予防学会の元会長で寺田病院(東京)名誉院長の澤井廣量氏は、「新型コロナウイルスに感染した者が、すべて元の体に戻れるわけではありません」と、こう続ける。

「コロナの治療が終わった後でも、倦怠感や息苦しさ、咳、関節痛などの症状を訴える患者がいます。味覚障害が残る者もおり、さらに集中力や記憶力の低下、脱毛など、さまざまな後遺症が報告されている。新型コロナが原因で肺炎になった場合も、いわゆる普通の患者とは違い、障害が残るケースもあるのです」

 コロナの変異種については、昨年末、イングランド公衆衛生庁が「従来のものと比べて、深刻な症状をもたらす様子は見受けられない」と発表。しかし一方では、南アフリカ共和国のムキゼ保健相が昨年12月の会見で、「英国の変異種と類似性のある変異種を確認した。併存疾患のない若年層で重症化するケースが増えている」と話した。ウイルスがどのように変異していくか、まだはっきりしたことはわからない―――というのが現状だ。

「症状が従来のものと変わりなくても、心臓への影響は軽視できません。心臓の筋肉が炎症を起こす心筋炎は、風邪インフルエンザのウイルスが原因でもなるが、感染力の強い新型コロナも例外ではない。心筋炎は不整脈や心不全の原因にもなる。ただでさえ、体の大きい人は心臓にかかる負担も大きい。白鵬関は192センチ、151キロと力士の中では均整の取れた体格。これといった病気もなさそうですが、150キロを超えている点は心配です。そもそも、新型コロナは持病のない若者でも症状が長期化するケースがある。3カ月を経過しても心筋損傷が見られる患者もいるほどです」(前出の澤井氏)

■全休なら3場所連続に

 健康上の理由に加えて、あまりに休場が続くと実戦感覚や肉体にも影響が出かねない。

「休めば休んだ分だけ、実戦感覚や相撲勘といったものは衰える。休みがちといわれる白鵬だって、2場所連続全休は昨年9月、11月場所が初めて。3場所連続となると、果たしてどこまで相撲が取れるか。例えば、立ち合いで相手と当たるときの衝撃も、実戦から離れすぎると体が忘れてしまう。衝撃の強さを想定できないまま相撲を取れば、それこそケガにつながりかねない。そうした稽古は、ひとりで行うトレーニングではどうしてもカバーできない。力士の多くはケガを抱えているが、あれは『休んだら番付が落ちる』という事情に加えて、相撲勘を維持したい、という目的もある。実は力士はあまり多くは休みたがらないものなんですよ」(ある親方)

 白鵬は35歳。一度鈍った体に再び活を入れようとしても、若い時分のようにはいかないだろう。土俵には、初場所で綱とりに挑む大関貴景勝をはじめ、まだまだ物足りないながらも、後進力士が力をつけてきた。

 新型コロナが「横綱白鵬」の致命傷になりかねない。

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