著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

大リーグ機構の共和党議員への「政治献金停止」は見せかけ

公開日: 更新日:

 だが、大統領選挙と上下両院選挙が終わった21年は政治資金の需要そのものが減少する。また、各企業も停止期間は一時的なもので、永久的な措置ではない。フェイスブックが政治献金を停止する期間も3月末までだ。

 献金は事業を円滑に運営するために不可欠である。特に種々の規制が設けられている業種の場合には各州で認可を得なければならないことが多いため、それぞれの州選出の連邦議員との関係を強化することは必須となる。

 それだけに、献金の停止はトランプや共和党に対する世論の風当たりの強さを受けたその場しのぎの対策であり、事態が沈静化すれば献金を再開することになる。

 大リーグ機構も事情は同じで、18年に最低賃金を保障する公正労働基準法からマイナーリーグの選手の給与を対象外とすることに成功したのは、政治献金と連邦議員たちへのロビー活動のたまものであった。

■利益確保の手段

 何より、大リーグ機構にとって献金額は年間収入の約0・02%なのだから、機構はわずかな投資によって球団経営者たちがマイナーリーグの選手たちにより多くの給与を支払う「損失」を回避したことになる。機構も経営者たちも、利益を確保するための重要な方法を安易に手放すことはしないのである。

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