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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

米中対立激化はスポーツ界に影響 対岸の火事では済まない

公開日: 更新日:

「新疆ウイグル、香港、台湾、米国へのサイバー攻撃など、世界の安定を保つルールに基づく秩序を脅かし、単なる内政問題ではない」と一方が非難すれば、「中国には中国式の民主主義がある」「米国民の多くは民主主義への信頼を失っている」と他方が反論する。

 米国務長官のアントニー・ブリンケンと中国の外交を率いる共産党政治局員の楊潔篪が米中会談で行った発言は、外交辞令の範囲を超えた厳しいものだった。

 トランプ政権中盤から続く対中強硬政策を引き継いだかのようなバイデン政権の主要閣僚の対応は、米中関係の悪化を予感させる。実際、米大統領ジョー・バイデンは中国の広域経済圏構想である「一帯一路」に対抗するため、民主主義国家で経済協力の枠組みづくりを提起するなど、米中競争は激しさを増しているかのようである。

■NBA中継打ち切り

 しかも、政府間の対立がスポーツ界にも影響を与えることは、2019年10月にNBAロケッツの幹部が香港での民主化運動を支持する発言を行ったことに対して、中国当局が反発した一件からも明らかだ。

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