著者のコラム一覧
立岩陽一郎ジャーナリスト

NPOメディア「InFact」編集長、大阪芸大短期大学部教授。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て現職。日刊ゲンダイ本紙コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」はじめ、「コロナの時代を生きるためのファクトチェック」「トランプ王国の素顔」「ファクトチェックとは何か」(共著)「NHK 日本的メディアの内幕」など著書多数。毎日放送「よんチャンTV」に出演中。

五輪開催には入国者の抑制が不可欠 最も不要はIOC委員かも

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 取材に関してはパラリンピックについてしか経験していないが、状況はオリンピックも変わらないだろう。独自に取材できる範囲は極めて限られている。基本的に競技の映像はホスト国のテレビ局が映像配信を行う。と同時に、結果の情報ももたらされる。現場でカメラをまわしたり自由に動き回ったりができるわけではない。記事も実際に競技会場で競技を見て書いているわけではなく、プレス用のブースで送られてくる画像などを見て書く。正直言うと、これは本国でもできてしまう仕事だ。

 独自取材が可能なのは競技を終えた選手が競技会場を出る際のインタビュー取材くらいだ。しかし、そのゾーンも決まっており、選手の体調や機嫌によって取材時間も制約される。必然的に取材者は競技場を離れて取材の範囲を広げるしかない。私の場合は、ドーピングに注目した。ドーピングの判定結果を受けて順位も変わる。この時は外国人選手がドーピングで失格となることをつかみ、順位が上がった日本人選手がメダルを獲得するとのニュースを発表前に報じて、大会側ともめたことがある。

 妙な自慢話を披露したいのではない。取材者は貪欲だということだ。当然、ドーピング検査は競技会場で行われているわけではない。つまり、取材範囲を競技会場に限定するというのは無理がある。特に、海外から高い金を払って来る取材班は多角的なニュースを出すことが求められる。政府が思うような形でメディアがおとなしく競技取材に専念するとは思えない。

 以上が私の経験からの私見だ。開催に不可欠なのは、入国者数を極力抑えるということだ。中でも最も要らないのはIOCの委員かもしれない。特にバッハやコーツといった人物は、まずもってオンラインの参加で十分だろう。

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