著者のコラム一覧
西牟田靖ジャーナリスト、ノンフィクション作家

1970年、大阪府生まれ。国境や家族などをテーマに執筆。著書に『ニッポンの国境』『本で床は抜けるのか』『わが子に会えない』など。

大阪工大高(当時)野上友一監督 昭和天皇が崩御で幻となったラグビー決勝戦【前編】

公開日: 更新日:

 もう一つは、エースの佐野に対する荒川先生の応援です。佐野はかかとを痛めていて、調子が今ひとつ出てなかったんです。

 ベンチで私の横に座っている荒川先生が、グラウンドでプレイしている佐野には聞こえないがベンチで呟くように、「足痛いけど、もうちょっとやから、佐野、頑張れ」とひとりごとのようにグランドを見つめておられました。

 ーー荒川先生がいかに選手を信頼していたのか。そのことが伝わってくるエピソードですね。それで決勝に進むわけですけど、決勝で茗渓学園に当たるってことが決まったときはどんな印象だったんですか?

 茗渓は横横へ展開していくラグビー。スペースを探して走り込んだり、間の人を飛ばして放る長いパスを放ったり、短いパスを放ったり。バックスでぐちゃぐちゃやったり、フォワードがパスしたりキックしたり。そういった、当時にしてみたら真新しい戦術をやっていたんです。帰国子女の選手がいたりしたので、彼らから聞いたのか。真相はわかりませんが、そういうプレイをごく自然な感じで取り入れていましたね。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒