著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

渦中の高橋治之氏は八木JOC会長急逝の混乱に乗じてスポーツの表舞台に現れた

公開日: 更新日:

 高橋治之氏は竹田氏の次兄と同学年、同氏の高校の先輩である。当時、電通の常務執行役員だった彼が竹田氏就任の事実上の後ろ盾になった。同年10月に竹田氏が会長に就任。以降、今日までJOC会長には高額の役員報酬が支払われている。

 01年はそれまでアディダスと電通が共同出資して設立されたISL社が破綻した年でもある。

 82年設立以来、ISL社はオリンピックやワールドカップなどのビッグなスポーツイベントのマーケティングを独占してきたが、99年に発覚した02年冬季五輪開催地ソルトレークシティーの招致活動の不正にIOCが大規模な検証と粛清を行い、新たなスタートを切った年でもあり、これまで築かれた「スポーツマフィア」のシンジケートが崩壊した。高橋氏もマーケティング活動の矛先を変えなければならなかった。

 93年、ISL事業局長の立場にあった彼が関わった2002年ワールドカップ日本開催は、日韓共催となっている。

 竹田JOC会長の誕生は、高橋氏にとって自らのステータスを保つための新たな巾着となった。電通側にはJOC会長との人脈を喧伝し、JOC側にはそれによって昇進した地位を誇示する。

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