長嶋茂雄さんは「オチャメなおじさん」でもあった。クビにした僕に興奮混じりで放った仰天発言
そうかと思えば、急にボクの顔をまじまじと見つめる。そして、「おまえは本当に面白い顔をしてるなあ」と一言。先輩選手に同じことを言われて腹を立てたこともあったが、長嶋監督に言われるとむしろ快感だった。それだけ、目をかけてくれてるのだと思えた。
「おう橋本、調子はどうだ?」
「完璧です!」
「完璧か。おまえの完璧は怖いんだよなあ」
笑顔でギクリとすることを言われたこともあった。
ボクはそんな長嶋監督の自宅に電話をかけ、「どういうことなんですかっ!」と詰め寄ったことがある。
▽橋本清(はしもと・きよし) 87年のドラフト1位でPL学園から巨人に入団。93、94年には2年連続で52試合に登板。6勝3セーブ、2勝3セーブをあげた。フォークを武器に貴重な中継ぎとして活躍したが、右ヒジじん帯断裂のケガで98年以降は登板記録なし。00年オフ、巨人を解雇されダイエーにテスト入団したが一軍には上がれなかった。プロ14年で通算134試合に登板、9勝12敗8セーブ。
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当連載【プレイバック「私が見た長嶋茂雄】は随時掲載予定。