女子プロレスラー40周年 堀田祐美子「若い選手に実力面で劣っているとはじない」強さの秘訣

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辞めたいと思ったことは一度もない。いつまでも未完のままでいたい

 新興団体・メジャー女子プロレスAtoZの代表、アクトレスガールズのプレーイングマネージャーを経て、現在はレスラーの傍ら東京・武蔵小山でバー「ハーツ82」を経営。若手選手の育成も続けている。

「ホントは人と接するのが苦手で、孤独が好き。だけど、真剣にお願いされたら面倒見ちゃう。それが今、私の所にいる叶ミク(25)です。若い選手と接するときに大事にしているのは“同じ目線に立って話す”こと。練習中に若手が声出さなかったら大声出して見本を示したりね。自分が不器用でできなかった当時の感覚を思い起こして、手取り足取り説明します。あと肝心なことは、若い頃に自分がされてイヤだったことは、絶対にしない」

 還暦まで2年とは思えない若さだが、何か秘訣はあるのか。

「体力に関しては、やっぱり気持ちだね。プロレスが好きだし、女子プロレスっていう伝統を残したいし、若手にもっと向かってきて欲しいっていう気持ちが強いから。40代後半から同期の北斗に『人生一度きりだから楽しもう!』って旅行に誘われて、旅行が趣味に加わりました。好きなことに費やす時間を作るようになったら、ストレスが溜まらなくなりましたね。一昨年は、北斗・健介ファミリーと2週間、カナダからラスベガス、セドナを巡りました。帰ってきてから、『うわー、メッチャお金使った!』ってびっくりしたけど(笑)、その分、仕事を頑張れる。北斗は、私を引っ張ってくれるお姉ちゃんみたいな存在ですね」

 2023年には、長年酷使した両ひざを人工関節にして「現役」を続投。

「今年の40周年記念大会(8月15日、後楽園ホール)で神取(忍=60)と対戦したとき、昔の怖い目をしてた。私たち、レジェンドと呼ばれる世代ができることはまだあると思ったから、まだ辞めないよって思えた。私はどん底からはい上がっていったけど、今も上り詰めることができたのかは分からない。だから、辞めたいと思ったことはね、一度もないんです。心の中ではね、いつまでも未完のままでいたいなって思ってるから」

(取材・文=伊藤雅奈子)

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