著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

トランプ大統領のワールドシリーズ始球式に現実味…懸念は「球がホームプレートに届くか」ただ一点

公開日: 更新日:

 だが、再び大統領となり、しかも憲法で3選が禁止されている以上、トランプには2028年の大統領選を気にする必要はない。また、26年の中間選挙で与党共和党が敗れるとしても、トランプは大きな打撃とは考えないだろう。

 今年4月以降の追加関税問題の経験から、大統領令を繰り返し発出することで自分の進めたいように政権を運営できると思っているのがトランプだからである。そのため、たとえ上下両院で共和党が少数党となったとしても、トランプは細やかな議会対策ではなく大統領令に頼って政策を実行しようとするに違いない。そうなると、これまで控えていた大リーグの始球式を行うことも現実味を帯びてくる。

 トランプは今年2月に現職大統領として初めてNFLのスーパーボウルを観戦している。この時、場内からはトランプを揶揄する声が上がったものの、「USA」や「Mr.President」といったトランプを擁護する声援がより多く寄せられた。

 こうした状況と周囲から注目されることを好むトランプの気質を考えると、人々の関心の高いワールドシリーズ第1戦は望ましい舞台となる。

 唯一の懸念は現在79歳のトランプがグラウンドからホームプレートまで届く球を投げられるかという点である。しかし、もし球が届かない場合でも、球場からは歓声が湧き上がり、グラウンド上のトランプは悠然と手を振って応えるだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    彬子さま三笠宮家“新当主”で…麻生太郎氏が気を揉む実妹・信子さま「母娘の断絶」と「女性宮家問題」

  4. 4

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  5. 5

    ヤクルト池山新監督の「意外な評判」 二軍を率いて最下位、その手腕を不安視する声が少なくないが…

  1. 6

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  2. 7

    違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた

  3. 8

    大麻所持の清水尋也、保釈後も広がる波紋…水面下で進む"芋づる式逮捕"に芸能界は戦々恐々

  4. 9

    “行間”を深読みできない人が急増中…「無言の帰宅」の意味、なぜ分からないのか

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発