クビになってからの逃避行 ミニカーファンの同志30人とエコノミーでドイツへ飛んだ
「そんなん決まるわけないじゃないですか」
「大丈夫か?」
「大丈夫なわけないでしょ。何ですか、クビにしといて(笑)」
「まだ野球を続ける気があるなら、他球団に口をきいてやるぞ」
そう言われたが、すでに気持ちが切れていた俺はすぐさま、「いえ、結構です。もう野球をやめるので」と断った。
小学2年から始めた野球だ。ふとした瞬間に、「ああ、来年からもう野球ができないんだ……」と強烈な寂しさが襲ってくる。気を紛らわすために“海外逃亡”を試みた。シーズン終了後の10月にドイツへと旅立った。
なぜドイツなのか。俺はミニカー収集が趣味で、特にドイツのメーカーである「ミニチャンプス」が好きだった。
あるとき、ミニカーの専門誌「ミニカーファン」の担当者から、「ドイツの『ミニチャンプス』とのタイアップで、本社兼ミュージアムの見学ツアーがあるので、参加しませんか?」と、お誘いがあったのだ。


















